突き


突きは拳を使って相手の上半身に攻撃します。

突きにもたくさんの種類がありますが、ここではよく使う突きと肘や手刀を使った打ち技もいっしょに紹介します。



■正拳突き(せいけん)

拳を握り拳頭といわれる人差し指と中指の付け根の尖った部分で突きます。

手の甲が下向きの状態から上向きになるように腕を捻りながら拳を打ち込むのですが、前述してきた引き手と拳頭を正確に当てることを意識すると威力が増大します。

「正拳は引き手で突く」と言われるように引き手をしっかり引くことで、腰の回転が発生し突く力に変わります。



■正拳顎打ち

正拳を相手の顎に打ち込みます。

試合では顔面への殴打は禁じ手となっているので使うことはありません。



■裏拳(左右)顔面打ち

拳の裏側(手の甲の拳頭寄り)を使って前後左右の相手に攻撃します。

肘のバネと手首のスナップで素早く顔面へ打ち込むため不意の攻撃に優れていますが、こちらも試合で使われることはありません。



■裏拳脾臓打ち

裏拳顔面打ちと同様に相手の脾臓(脇腹)にめがけて裏拳を打ち込みます。



■正拳回し打ち

正拳を相手のこめかみに打ち込みます。

軌道は背中から大振りのブン回しフックのように弧を描きながら打ち込みます。



■貫手(ぬきて)

手の指で相手を突く技です。

手の指は拳と比較すると弱いため日頃から指立て伏せなどで鍛錬が必要です。

拳よりも力が一点に集中するため効果は絶大です。

4本指で突く貫手は親指以外の指で相手のみぞおちや脇腹を突きます。

3本指で突く貫手は中指を浮かして人差し指と薬指で相手の目を突きます。



■下突き

正拳で相手の腹部を突く攻撃です。

ボクシングのアッパーカットのようにみぞおちや脇腹をめがけて突きます。

正拳突き同様に試合で多用される技ですが、下突きからの膝蹴り、下突きからの下段蹴りといったように連携技として使用しやすいのが特徴です。



■肘打ち

肘を曲げたときの関節の尖った部分で相手のこめかみや顔面に攻撃します。

この尖った部分の骨は鋭利で硬いため非常に攻撃力のある技です。

空手ではあまり見られませんがムエタイやキックボクシングの試合で多用されています。



■鉤突き(かぎ)

肘を90度に曲げ、腰の回転を利用しながら正拳で相手の脇腹付近を攻撃します。

ボクシングのフックのような軌道ですが、相手の懐に入り込み脇を締めてコンパクトに突きます。

こちらもよく試合で多用されている技です。



■手刀顔面打ち(しゅとう)

親指を曲げて手の平に添えて、残りの指はくっつけたまま手の腹を張ってピンと伸ばし手刀を作ります。

そして小指の付け根から手首にかけての側面で相手のこめかみを攻撃します。

手刀は試合で使われることはありませんが型で使われることが多い技です。



■その他にもこんな技があります。

・肘落とし

・肘上げ

・円形逆突き

・鉄槌

・諸手突き

・手刀鎖骨打ち

・手刀内打ち

・手刀脾臓打ち

・手刀鎖骨打ち込み など